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事業者へのインタビュー:株式会社シジシージャパン

sdgのロゴ 事業者へのインタビュー

株式会社シジシージャパン
本社での写真
インタビューで取り上げたSDGs
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   CGCグループは、「地域愛着」を志向する全国207社4,157店舗(※)のスーパーマーケットが加盟する協業組織です。シジシージャパンはその本部機能を担っており、地域企業が協働して流通の革新を図り、生活者の安心と健康と心豊かな暮らしに貢献することを目指して、商品開発と供給、物流や情報支援等を行っています。
   この度、CGCグループのCSR活動とSDGsの取組について、株式会社シジシージャパンの開発本部環境室 室長の鍬間春男さんと企画本部広報室 室長の菅原泰さんにお話を伺いましたので、その内容を紹介いたします。

取材日:2019年3月14日(株式会社シジシージャパン本社にて)
(※)2021年1月現在
写真左:株式会社シジシージャパン  開発本部環境室 室長 鍬間 春男さん
写真右:株式会社シジシージャパン  企画本部広報室 室長 菅原 泰さん

SDGsによる協業活動の深化

   シジシージャパンでは、『地域企業が協働して、流通の革新を図り、生活者の安心と健康と心豊かな暮らしに貢献する』を企業理念とし、加盟企業と共にプライベートブランド(PB)商品の開発を中心に様々な活動を行っています。環境が悪化すれば、その地域の生活者の安心と健康と心豊かな暮らしに貢献できません。CGCグループ加盟企業が地域社会で持続的に発展していくためには、環境に配慮した商品開発は不可欠であり、そうした当社の姿勢とSDGsの目指す姿が非常に似ているのではないかと感じています。
   当社の取組と特に関わりが深いSDGsの目標は、目標12「つくる責任つかう責任」ですが、その土台となる水、海洋、エネルギーなどの目標についても考えなければ、目標12も実現できません。このため、徐々にですが、SDGsをCGCグループの活動に当てはめて推進し始めています。
   また、シジシージャパンはISO14001の認証を取得しており、環境室はその事務局の役割を担っています。ISO 14001(2015年版)では、組織が直面する課題を抽出し、それに対する機会とリスクを検討することが求められ、この課題を検討する際に、世界の共通課題であるSDGsが参考になり、分析の切り口になるのではないかと考えています。

地域社会への貢献を起点に
~加盟企業の動き

   CGCグループの加盟企業は、地域社会に貢献する様々な取組をこれまでも行ってきました。例えば、新潟県では、原信とウオロク、リオン・ドール コーポレーションが地元企業と連携して、食品廃棄物を肥料化し、その肥料を使った農産物を販売するという「リサイクル・ループ」を構築しています。SDGsには廃棄物の削減や食品ロスの半減が盛り込まれており、こうした取組は、他の加盟企業に対しても横展開を訴えかけられると感じています。
   また、スーパーマーケットは、地域の食生活を支える存在です。CGCグループ加盟企業では、現在約50社が「弁当の日」応援活動をしているほか、『ふれ愛交差点』を通じてお料理の応援をしています。小中学生のお弁当やお料理をする方を応援し、「きちんと食べて健康に」なっていただくことを通じて、SDGsの目標2(栄養改善)や、目標3(健康)などに貢献できると考えています。

取組の紹介
お料理する人、応援します
   CGCグループでは「弁当の日」を応援しています。「弁当の日」とは子ども達が自分でお弁当を作って学校に持ってくる活動で、献立作りや買い物、調理、弁当箱詰め、片付けまですべて子どもが行うことで、食事の大切さや感謝の気持ちを育くむことが期待されます。特にスーパーマーケットに材料を買いにくることで、様々な旬の食材を感じて貰うことができ、新たな料理への挑戦も見込まれます。このことから、加盟企業では、「弁当の日」に合わせた売り場作りやレシピの提供、料理教室の開催などで、地域の子ども達の弁当作りを応援しています。
   また、『ふれ愛交差点』という料理冊子を毎月125万部発行し、全国の加盟店で無料配布しています。料理研究家が考案したレシピを年間365日分、日替わりで紹介しているほか、料理を学べる連載企画やCGC商品のお知らせなどを掲載しています。このレシピを活用して料理を作り、食べることで、料理の楽しさを知ってもらい、栄養のバランスや食生活の改善にもつなげていただくことで、より一層スーパーマーケットを利用していただきたいと考えています。
弁当の日の風景弁当の日カタログカタログ

協業の強みを生かして~パートナーシップで目標を達成

   CGCグループ加盟企業の取組は、企業規模や地域の状況や各社の方針によりばらつきがあります。CGCグループでは、加盟企業が独自に行っている取組を共有するため、「環境CSR発表会」を毎年開催するとともに、全国環境会議や環境勉強会を2か月に1回開催しています。こうした活動の影響を受け、エコアクション21の取得や環境レポートの作成を実施しようと考える企業が出るなど、グループの中で協力と刺激を受けられることが良いきっかけになっていると考えています。今後も活動を継続していくことで地域にあったモデルケースを見つけていただき、グループ内で取組を促進していきます。
   また、シジシージャパンでは毎年加盟企業の環境活動の実態調査を実施して平均値を公表しており、その結果を元に支援活動をしています。加盟企業にとっては、自社の取組とグループ全体の水準を比較することができ、遅れている企業の後押しにもつながります。
   さらに、当社では年1回、品質保証会議を開催し、PB商品の製造委託企業に集まってもらっていますが、ここでも環境配慮のお願いをして、あわせてSDGsについても説明をしています。世界規模で商品を開発・調達しているため、海外企業を対象とした「海外サプライヤー会議」においても同様のお願いをしています。CGC4全国環境会議

商品を通じて
~小さな変化で大きな改革

   SDGsの取組における「CGCらしさ」は、商品を通じて課題の解決を目指していることです。2018年度からは、グループをあげて「スカスカ商品」撲滅に取り組んでいます。「スカスカ商品」とは、「大袋の菓子」や「バンドル売りしている加工肉」など、中身の容量に比較して容器包材がかなり大きい商品のことで、これらの包装資材を適正化することで、売り場や配送の効率が良くなり、家庭でもごみを減らすことができます。
   シジシージャパンが、自社PB商品の取組だけでなく、各メーカーに包材の適正化を呼びかけたところ、いち早く大手菓子メーカーが対応し、2018年4月には従来品から外袋のサイズを27%削減した商品がリニューアル販売されました。この動きは、他のナショナルブランドメーカーにも広がっています。
   また、売り場の効率化につながる施策として、「縦置き陳列」も提案しています。従来、横長に置いていた商品を縦長にして配置することで、棚あたりの陳列数を大幅に増やすことができ、品揃えが充実するだけでなく、商品同士の隙間が埋まることでボリューム感が増します。一度に多く並べられることで、陳列の作業回数を減らし作業効率も上がります。CGC商品では、冷凍食品を中心に、菓子でも一部商品で縦型デザインへの切り替えを進めています。新たな試みとして、表は縦のデザイン、裏は横のデザインというリバーシブル仕様の製品も開発し、売り場にあった形で陳列ができる工夫をしました。

容器包装削減の取組縦横陳列例縦型陳列例

ライフラインとしての責任~「生活在庫」による「備災」

   CGCグループ加盟企業は地域のライフラインとなっており、災害対応では非常に重要な役割を担っています。2018年は災害対策室を6回開き、被災地に支援物資を輸送しましたが、東京から各地点へ輸送をしていたため、膨大な輸送費がかかることや、運搬日数を要するなど、エネルギーや効率面で課題がありました。このため、現在は全国11か所にある地区本部・支社から緊急対応商品を被災地へ供給することにしています。
   また、災害に備える「備災」の考え方で、家庭で「生活在庫」を持ちましょうという運動を展開しています。「生活在庫」とは、備蓄ではなく、ローリングストック方式で、普段食べる食品を少し多めに保管し、順次使って入れ替えていくという考え方で、お客様には3日~1週間分のストックをもつことをお奨めしています。
   あわせて、緊急時に対応しやすくするために、災害時に必要となる水やパックご飯などの商品をCGCのセンターに在庫すると同時に、家庭や店舗、センター、メーカーといった各拠点で、一定量を在庫することを呼び掛けています。この際、CGCグループが、業務の効率化や食品ロスの削減を目指して、コンパクトで長持ちする商品開発を進めてきたことが生かされています。例えば、CGC商品のパックご飯は、賞味期限が10ヶ月ありますので、生活在庫に適した商品となっています。

相互支援協定災害売り場

これからの取組~中小企業でもSDGsに取り組む必要性~

   CGCグループでは、2018年に、これまで掲げていた「地域密着」から一歩先に行く「地域愛着」を掲げました。これまでのように地域との接点を持つだけでなく、今後は全方位で地域社会と関わりことが重要となります。それが地域愛着活動です。地域を愛し、地域から愛されるためには、地域の環境保全や食生活の維持は当然のことですし、地産地消や地域エネルギーを含む地域の資源循環にも関わっていく必要があります。
   SDGsというと、世界的な目標や取組に見えますが、個人や企業に合った課題があり、それぞれに解決できるレベルがあります。全国津々浦々の加盟企業が規模の大小に関わらずなにかしらの形でSDGsに結びついているのだと考えていただき、各加盟企業やお取引先にも取り組んでいただけるよう、わかりやすくお伝えできればと考えています。
   また、シジシージャパンのSDGsの取組は、まだ環境の切り口から始めたばかりのため、環境以外の課題に関しても整理していきたいと考えています。
   今後は商品活動を中心に、ドライバー不足の物流問題や人手不足に対応するための働き方改革など、加盟企業と当社で横断的に取組を共有し、SDGsの目標の達成に向けて取り組んでいきたいと考えています。

株式会社シジシージャパンの皆様、
インタビューのご協?
ありがとうございました。
※インタビューで扱った内容は
企業が取り組むSDGsの一部です。

お問合せ先

大臣官房 新事業・食品産業部 企画グループ

代表:03-3502-8111(内線4139)
ダイヤルイン:03-6744-2065